2022
パワーハラスメント発生時の対応①~ヒアリングのポイント~
人事労務
【本記事の解説概要】
本記事では、職場においてパワーハラスメントが発生した際に、経営者、会社の人事・労務担当者が、被害申告を行った従業員に対して行うヒアリング(面談)時のポイントを解説しています。
パワハラの被害申告がなされた場合には、厚生労働省公表の資料においても、「事実関係を迅速かつ正確に把握すること」が必要とされています。事実関係の把握の手法として、多くのケースで実施するのが関係者へのヒアリングです。では、実際にヒアリングする際にはどんな点に気を付ける必要があるのでしょうか。
目次
①ヒアリングを迅速に行うことの重要性
②被害申告をしている従業員への「問いかけの言葉」
③「事実」と「評価」「感想」を区別
④証拠を確認(口頭?メール?チャット?)
①ヒアリングを迅速に行うことの重要性

①ヒアリングを迅速に行うことの重要性
従業員からパワーハラスメントの被害を受けたという申告があった場合には、
「出来る限り速やかに」被害申告をしている従業員や関係者へのヒアリングを行いましょう。
被害申告をしている従業員の頭の中はパワハラの事で一杯になっていることがあります。
そのような時に速やかに対応してもらえないと、会社側に対する不信感や怒りが増し、会社に対する責任追及「も」始まってしまう可能性があります。
また、特に口頭でパワハラが行われたような場合には、
時間の経過と共に関係者の記憶が曖昧になってきてしまいます。
そのため、記憶が鮮明なうちにヒアリングをする必要性が高いです。
ヒアリングの議事録作成は忘れないようにしましょう。
②被害申告をしている従業員への「問いかけの言葉」
特に、パワハラを受けた直後である場合には、
被害申告をしている従業員が精神的に不安定なこともあるので、
面談時の問いかけの言葉には十分気を付けましょう。
被害申告をしている従業員を責めるような発言は、
会社に対する不信感を生み、トラブルが更に大きくなるリスクがありますので、
慎重に対応することを心がけてください。
会社の対応に対する不満や不平を感情的に伝えられることもありますが、
グッとこらえて落ち着きましょう。
なお、会社として回答が難しい事項や、社内協議が必要な事項について意見を求められた場合にはその場で安易に回答をしないように気を付けましょう。
(問いかけ例)
「上司の●●さんからパワハラの被害を受けたとお聞きしています。いつ、どのようなことがあったのか具体的に教えてもらえますか」
③「事実」と「評価」「感想」を区別
ヒアリングの際には、「事実」と「評価」や「感想」を区別するようにしましょう。
話している本人は、感情が高ぶってしまうこともあり、どうしても自分がどのように感じたのかを話してしまいがちです。
そのため、面談担当者は、「いつ、どこで、どのようなことがあったか」(事実の確認)「それに対して本人がどのように感じたのか」(「評価」や「感想」)を意識的に区別してヒアリングする必要があります。
被害申告をしている従業員の話し方や空気に飲まれないように気を付けてください。
④証拠を確認(口頭?メール?チャット?)
ヒアリングの際に「事実」として認識したものについては、その証拠の有無を確認しましょう。
メールや社内チャット等の客観的な資料が残っているとベストです。
客観的な資料が無く、口頭でパワハラが行われたような場合には、「いつ」、「どこで」、「(具体的に)どのような言葉を発せられたのか」を確認しましょう。
⑤経緯の確認
メール、社内チャット、口頭、いずれの場合でも、
「パワハラと主張されている言動がなされた経緯」の確認が重要です。
一連の経緯の中での言動であっても、単体で切り取ってみると印象が大きく異なることがあります。
最終的にパワハラの事実があったか否かの判断(事実認定)に大きな影響を及ぼすため、
経緯の確認も十分に行いましょう。
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